2013年10月18日金曜日

そして、父になる(120分)

監督:是枝裕和
瀧を、取り違える

この作品「今年は、福山雅治もリリーフランキーもよく映画に出演してるなぁ」くらいの印象でポスターを見ていましたが、実際鑑賞したら予想外に号泣メーンしてしまいました。
何が泣けたって、慶多くん演じる子役のつぶらな瞳に泣けました。もう1人の子役:流晴くんは育ての親から引き離された不満を口に出すのに対して、けいたくんのほうは自分がどう思っているのかを全く口に出さない。大人に気を使っているのか、涙もこぼさない。でも、つぶらな瞳を静かに潤ませる様子に泣かされました。特に、「慶多にこのカメラをやるよ」と福山雅治に言われ、それを断る時のなんとも言えない表情がよかったです。まだ6年しか人生やってない子供たちにも、人それぞれの感情表現があるんですねぇ。
取り違え事件によって、本来かかわるはずのなかった2つの家族が深くぶつかりあっていくのも面白かったです。そういうぶつかりの中で、逆に自分の夫や妻をものすごく遠くに感じてしまう瞬間を見てとれるのもそら恐ろしく興味深かったです。取り違え事件発覚後に福山雅治が「やっぱりそうか」と言い、その言葉を妻がずっと覚えていてある瞬間にそのことをあげて感情を爆発させるやり取りなど家族という場所にしか吐き出されない感情のドロドロを感じることが出来ました。あと、福山雅治が折にふれ放つ「おれがなんとかします」という言葉が、だんだん頼りなくなるのもよかったです。
あと、直近に見た映画が「凶悪」だったので、中盤の法廷シーンでいきなりピエール瀧が出てきた時には、ぶっこまれるかと思ってあせりました。そして、その後のシーンに山田孝之が出てこないか探してしまいました。