監督:ジャウム・コレット=セラ
原題:Non-Stop
捨てられた大型犬は強い
「98時間 リベンジ」ぶりにリーアム・ニーソン主演映画を見ました。今回も、「仕事に没頭しすぎて家族を失った」という、ある意味「98時間」とほぼ同じ設定をもった主人公。仕事ではキレ者だけどプライベートはだめだめのキャラクターが、捨てられた大型犬のような顔のリーアム・ニーソンにとてもはまります。
この「フライト・ゲーム」、ハイジャック犯からリーアム・ニーソンの携帯に「お金払わなかったら、20分ごとに一人死ぬよ」メールが来る緊張感ある前半のくだりは面白かったです。「20分ごとに死ぬ人」のうち2人はリーアムの手で殺すという不気味さも、面白かった。振込先口座がリーアム名義になっていたりして、リーアムがハイジャック犯に仕立て上げられていく流れも、よかったです。が、犯人が分かってからの後半は、「あー、こういうの見たことあるわ」っていう既視感を感じてちょっと失速した感じがしました。飛行機内アクションや墜落やら動きのあるくだりもあるのに、後半のほうが退屈を感じてしまう不思議。あんな緻密な犯行計画を立てた犯人グループが、実際は団結感もなく抜けてたのとかもちょっとがっかりでした。
飛行機を怖がる航空保安官とか、テープ何に使うのかと思えばトイレでタバコ吸うためだったリーアム・ニーソンとか、窓側の席に固執するジュリアン・ムーアの理由とか、ビジネスクラスでセックスするカップルとか、そういう乗客ひとりひとりのささいな描写が面白かったです。小さい女の子に「窓側に座らせて」と頼まれたら、やすやすと窓側を譲ったジュリアン・ムーア、いいやつじゃんって思った。でも、あの時席譲ってなかったら、ジュリアン・ムーアきっと死んでたな。爆発して外壁が落ちた飛行機でも、座席がなくなった女の子をリーアムが手で持ち上げて助けれらたのは、きっと軽かったからだろうな。ふあーーー、飛行機事故で助かるためにもダイエットが必要か。それか、窓側を避けてリーアムの近くに座るかだな。