2016年2月20日土曜日

ハッピーアワー


友達は最高!(と言っておく)

監督:濱口竜介
上映時間:317分
パンフレット:700円(★★☆☆☆:「友だちと一緒に旅行して数日間一緒にいると、途中で相手のいやなところが見えてきて無理だと思うけれど、それを超えたら受け入れられる、(中略)それを映画で経験できるのは貴重でした」という辛酸なめ子さんの文章にうなづきました)

今年は去年までに比べて映画を見に行く本数がグッと減って、この「ハッピーアワー」が4本目の鑑賞になりました。「ハッピーアワー」は上映時間5時間17分と通常なら映画2~3本見れる尺だったのですが、大須にあるシアターカフェの「映画コンパ!略して映コン!2015年マイベスト10を語ろう編」というイベントに参加した際、年間500本オーバー映画館鑑賞の猛者が2015年のベストとして「ハッピーアワー」おすすめしていて、すごい気になって見に行きました。
映画館に向かう直前にあらすじを見たら、登場人物の女性たちが37歳と個人的にタイムリーな設定で「これは刺さりすぎてやばい気分になるかも」とちょっと不安な気持ちになりましたが。。。まぁ、映画は面白かったんですが、残念ながら私にはそこまでは刺さりませんでした。同年代とはいえ、ここに出てくるのはみな結婚した(orしたことのある)女性たちだったからかな。結婚経験のある30代後半の女性が見たら、私より刺さるかもしれません。
で、映画の感想ですが、映画がドラマ的に動く「居酒屋での不倫告白」とか「離婚法廷」とか「中学生の息子が彼女を妊娠させた」とかそういうシーンよりも、ドラマ的にはあまり動いてないシーン(けど尺は長い)のほうがずっと印象に残って面白かったな~と感じました。特に印象に残ってるいるのは第1部の「「重心」に聞くこと」セミナーの「これ、なんじゃ?」という気まずい空気。後々の打ち上げで「実は身内しか参加者がいなかった」と判明するものの、セミナー実施中はみんな興味があるような面をして「やめるわけにもいかないし・・・」という感じでワークに参加してるのが、「あ~、あるあるこういう逃げられない場の気まずい空気」って思い当りました。でも、参加者同士背中をくっつけて立ち上がったり、お腹の音を聞いたり、額をくっつけ合ったりと、やっていくうちにみんなが楽しくなっていってる様子も含めて「あるある!」って感じました。こういうなんでもないシーンが面白いところに「なんでもないようなことが、幸せだったと思う~」と、虎舞竜の「ロード」を口ずさみたくなりました。
しかし、講師をした鵜飼さんにセミナーの感想を聞かれて「化けの皮がはがれそう」と文句を言った女、劇中のあかりと同じく私も完全に元カノだとミスリードしてました。「大人になってから距離の近すぎる兄妹は、傍からみると元カレ元カノの見えるんだな」という発見がありました。

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