2012年7月10日火曜日

先生を流産させる会(62分)


監督:内藤瑛亮
殺す死ね自殺しろより軽い罪 
流産させる会ならはいる?

実際の事件は男子生徒によりおこされたモノだったそうですが、映画では女子校設定になっていました。この性別変更がよく効いてた。身に覚えのある「オンナによるオンナ嫌悪」が生々しく感じ取ることが出来ました。
水泳の授業で生理になる、真夏の屋外で股をつたうあの生あたたか~い嫌な感じ。妊娠した先生を「キモッ!」といいつつ、自分もどんどんオンナに近づいていってしまう自己矛盾をはらんだ嫌悪。丁寧に描かれる嫌な描写のおかげで、クライマックスで「あんたも気付いてるんでしょ!女って、気持ち悪い生き物なんだよ!」っていう先生の言葉が、スッとはいってきました。

「なかったことになんてできないんだから」と言いながら生徒と一緒に水子を埋葬をする先生の姿に、この映画は救いのある「告白」だなと感じました。彼女は、女でありながら、ちゃんと最後まで先生なんですよね。それが哀しくも頼もしかった。

舞台挨拶付きの上映に見に行ったんですが、女子生徒役のコたちは本当に普通の女の子たちでした。撮影時の思い出に、「アイスクリームで手がベタベタになったこと」とか言っててマジでかわいかった。
でも、映画内ではものすごい存在感で、そのギャップにビックリ。特にリーダー役の女のコの劇中のたたずまいはすごかった。不登校になるコにお母さんがクリームを足にすりこんでくれてるシーンで、窓からのぞく姿に「ヒッ!」ってなっちゃいましたもん。
上映後、「演技うまかったね。演劇部とかにはいってるの?」と聞いたら、「なんにもですよ。(演技指導も)「もっと不機嫌な顔して歩いて!」とかしか言われてないです」って。。。この言葉に、内藤瑛亮監督の才能と映画のおそろしさを感じました。