監督:ヤヌス・メッツ
原題:Armadillo
戦争は麻薬か?
次週のシネマハスラー課題映画「アルマジロ」と聞いた時は「そんな動物映画あったっけ?」と、一瞬“LOVEまさおくん”的なモノを想像してしまいましたが、ところがどっこいの戦争ドキュメンタリーでびっくりシマウマ。
と、冗談はさておき、戦争映画はここ最近シネマハスラーで扱われた「ハート・ロッカー」「高地戦」くらいしか見たことがなく、「本当の戦場をうつしたドキュメンタリー映画を見たら、どんな気持ちになるんだろう?」と不安でしたが、カメラを意識した様子もないし、綺麗な絵が多いし、感情をディレクションする音楽もかかるので、フィクションのようにみえ鑑賞中そんなに強い気持ちの揺さぶりはなかったです。それだけに見終わって、「あれが、本当の戦場なんだ…」と考えると、「戦争って、絵になっちゃうもんなんだなー」とへんな気持ちになりました。
志願してアフガニスタンの戦地におもむいたデンマークの青年たちが、タリバンを監視するだけの任務は“死ぬ”ほど退屈と言い、命を落とす危険性のある奇襲攻撃を拒否しなかったのは、私にはよく分からない感覚でした。自分の国のために戦っているわけでもないし、家がある場所が戦場と化してしまっているアフガニスタン人にも全く感謝されていないし、すごいむなしい軍役だと思うんですよ。むなしいからこそ成果を残したいということなのでしょうか。ハート・ロッカー冒頭でうたわれた「戦争は麻薬である」という物言いでは出来ればくくりたくないのですが・・・