2013年1月6日日曜日

グッモーエビアン!(106分)


監督:山本透

ドンペリ開けてるセレブじゃねえんだぜ!
こちとら働いてナンボだ労働For You!

1ヶ月ほど前に原作を読んでから、映画を見てきました。正直言って、ちょっとのれない映画でした。

まず、主人公のモノローグと会話の再現再生があまりにも多くて、シラけてしまいました。演技だけで観客側が十分汲み取れるのに、親切すぎるほどに言葉がかぶせてあるんですよね。役者陣がイイだけにもったいなかったなー。
あと、食事をするシーン。出てくる料理はちゃんと美味しそうでいいのですが、料理を食べてのリアクションが「おいしい!」っていう一辺倒なヤツばっかりで残念。麻生久美子さんは「モテキ」で牛丼の食いっぷりで、観客をうならせたという実績もありますし、もっと色々な”美味い”表現を見たかった。
大泉洋さんの顔に落書するくだりも、「せめて友達の家まで向かうバスの窓」で自分の顔はチェックするはず。観客をひと笑いさせるための絵作りで、キャラの現実感が薄くなり単なる超人になってしまったような・・・
貧困をちゃんと描いていないっていうのも・・・。シングルマザー+派遣労働+ヒモ男ときて、あんなお気楽貧乏で生活が成り立つはずがない。貧乏を明るく暮らすっていうのには非常に賛同出来るのですが、最近「ふがいない僕は空を見た」や「サウダーヂ」で現実感あふれる貧乏を見ていただけに物足りなかった。
原作にあったシーンで見たかったシーンがなかったのも残念。
それは、ビビアンウエストウッドのスーツで決めたアキちゃんが3者面談に乗り込んで、担架をきるシーン。これは麻生久美子でみたかったナー。
あと、原作にはなかった大胆な設定:ヤグの両親死亡・ともちゃんの親離婚と、観客のお手軽に泣かせるために、人を殺したり・別れさせたりってのはいくらなんでもヒドすぎる。。。
つーか、何がイヤって・・・やっぱりワタシたいした理由もなく働かない人に寛容になれないんですよ。サイタマノラッパー・IKKUでさえ働いていないという理由で嫌いなんですもん。
そのムカつきは、労働を美徳だと感じてるわけではけっしてなく、「私だって怠けたいのに、働いている」という我慢の気持ちから産まれるモノ。すごい金持ちか、なんかの病気か、年寄りか、子供かじゃなければ、私と一緒に我慢して働こう・働こう!(ちなみに原作のヤグは、アルバイトだけどちゃんと働いていました)