上映時間:121分
パンフレット:700円★★★☆☆(脚本全文が13ペーシにわたって記載されてます。呉監督今年の5月29日に出産されたそうです。おめでとうございます!)
抱けるうちに抱いておく
「そこのみにて光輝く」の呉監督の作品ということで期待して見にいきましたが、実直に作られた良作とは思うんですがいまいち心を掴まれませんでしたし、揺り動かされませんでした。原作小説のエピソード5編のうちの3編「サンタさんの来ない家」「べっぴんさん」「こんにちは、さようなら」をまとめたということなんですが、だんだん群像劇がつながってくるような物語の醍醐味がなかったように感じました。学級崩壊や幼児虐待など深刻なテーマが描かれるこの作品ですがその重さよりも、「そこのみにて光輝く」にて愛人役で出演していた高橋和也と池脇千鶴が夫婦という設定になっていたことに気が付いた時のほうが「え、あの男と結婚しちゃったの!?大丈夫かな・・・」と心配になりドキドキしました。いい役者さんだしいい演技だけど、「そこのみにて光輝く」の印象が強すぎるのでどっちかは他の役者さんにしてほしかったな。
この映画、一番印象に残ったのは高良健吾が演じる小学校の先生が「家族の誰かに抱きしめられてくること」という宿題を出して、それの結果を生徒たちに聞くシーン。子供たちの照れた表情がよかった。照れながらも「懐かしい感じがした」「やさしい気持ちになった」とか答える子供たちの様子はドキュメンタリーみたいでした。私も同居している2歳7ヶ月の甥を抱っこしたり膝に乗せたりすることがあるんですが、たしかに人を抱きしめるとやさしい気持ちになる。照れずに抱ける年齢のうちにもっと抱いておこうと思いました。