できれば、1本にまとめてほしい
上映時間:98分
パンフレット:720円(★★★☆☆キャストや製作のインタビューが多く掲載。VFXの撮影について書いてあったりもします。)
「進撃の巨人」については、原作を家族が借りてきた貸本で一応ひととおり読んでいて、いちおうあらすじはおさえています。が、アニメ版や他の劇場版まではみていません。そのくらいのテンションで、今回の実写版映画見てきました。もともと原作のほうも、複数の人間が巨人になりはじめたところから、巨人の魅力が目減りしたように感じ、話が複雑になってきてバラ読む貸本ではストーリーを理解しきれず、興味がなくなってきていました。なので、まあ映画もある意味気楽な感じで鑑賞しました。所感としては、「想像よりもよく出来ていたし、作り手のがんばりを感じて好感はもてた。けど、別に面白くない。」という感じ。
序盤のタイミングで「これはビックリさせてくれる映画化ではないんだな」と思わされたのは、超大型巨人がはじめて登場するシーン。パンフレットを見るとこのシーンは特撮で丁寧に撮られてるみたいなんですけど、その登場に絵での衝撃を感じませんでした。アメコミ映画とかホビットとかそういうの見てたら、いまさらそんなに驚けないのかも。壊された壁の穴からはいってくるその他の巨人の無気力そうにわらわらしてる感じのほうが不気味でゾッとしました。この流れでのモンゼンの市場の混乱っぷりは、大勢の人間を使ってパニックが伝わってきて迫力ありました。中盤以降の注目ポイント、立体機動装置の実写でのフォルムもそれなりの大きさと重量感があってよくできてるなぁと感じたんですけど、それを使った戦闘シーンは、なにしているのか把握しずらくてあんまり楽しくなかったです。
原作にはないエピソードや人物は、自分的には好感を持ってみました。外壁再建団のなかのカップルがちちくりあうシーンや人妻がエレンに色仕掛けをするシーンは、映画的お約束がおさえてあって理解しやすく楽しかった。シキシマとミカサがひとつのリンゴをわけて食べあうシーンとかも「(原作にはないシーンなのに)漫画みたい!」とちょっとクスリとしながら楽しめました。勇気がいるであろう原作からの大幅改変は、原作ファンにとってはムカつくものでしょうが映画にとっては必要だったのかなと感じています。私が一番うーんと思ったのは、前編98分なら2時間半くらいで1本にまとめてほしかったなということ。パンフレットで樋口監督が観客へのメッセージとして、「二部作にしたことで、一つ原作と同じものを手に入れることができたと思うんです。それは連載漫画と同じく”次はどうなる”と、観客をワクワクさせる”引き”作れることです。いろんな意味で今回の最後に観ていただいた予告篇を裏切る形になっていますから、ワクワクしながら続きを待ってほしいですね。」と語っているのですが、私は全然ワクワクできてなく、どっちかというとヤキモキしています。別に後篇を見るほどの前篇楽しめてないけど、やっぱりちょっとだけ続きが気になっちゃって無駄に悩みが増えてしまいました。(多分、後篇はムービーウォッチメンで当たらなければみない気がする)