監督:園子温
原作未読で映画館へ。
津波で廃墟となった街がうつるオープニングで、原作を知らない私でも園子温監督が現実から目をそらすことができず「今」を映画の中に織り込んだことが見て取れました。
3.11から1ヵ月後の被災地に程近い土地で展開される物語。
コトの発端からまだ1年もたっていない世界がスクリーンにひろがっていることは驚きでしたし、そうせざるえなくなった作り手側の真摯さに胸が打たれました。「冷たい熱帯魚」「恋の罪」と3作連続で映画館で見てきましたが、園子温監督作品はこれからもリアルタイムで見ていこうと本作で強く心に決めました。
ただ、その織り込みが物語としての成功をあげていたのかはちょっと微妙。
父に「オレ、お前のこと、本当にいらねーんだよ」と言われる住田、母に「死んでくれない?」と言われる茶沢の縁取り難い絶望とそれに対する反抗のせつなさが、「どんずまりのノンフィクション」を前にするとやはりどうしてもフィクションに感じてしまう。
そして、やはり「現実」を共有する者として、映画の中にいる人々にエールをおくらざる「えない」という気分になってしまう。震災を織り込んだことで、絶望を共有して終わることが許されない作品になってしまったように思います。
「冷たい熱帯魚」が大好きなので、「冷たい熱帯魚」キャストによる死霊キャンピング超萌えました。みんなでマラソンするとことか、「ゲ、ゲ、ゲ、ゲ、ゲのゲ~、夜は川辺で運動会♪」とあいつらの死後の世界を思いながらニヤニヤ。
「オレモ、シアワセになりた~い!」って。・・・ そのために、「あとは、お前でがんばれ!」
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